宗達とフェルメールを見る (会報抜粋)

 京都市美術館にフェルメールの作品が来るということを知り、それと同時に宗達を見たいと思った。
 フェルメール展は、このところ日本でしばしば開かれており、先年はオランダにとって国宝級であろう「牛乳を注ぐ女」が来日した。まさかこの作品が海を渡るとは、思ってもいなかったので驚いたことがある。
 1989年ヨーロッパ旅行した時、アムステルダム、ハーグ、パリでフェルメール作品を、その後東京でも数点見ることができた。
 アムステルダム国立美術館の中央正面を飾るのはレンブラントの「夜警」で、まさにレンブラントはオランダを代表する画家で、その最晩年の自画像がもっている深い重層さは他に類を見ない。フェイルメールは右のレンブラント、そしてスペインのゴヤとともに15世紀に油彩画技法が大成されてから現在に至る西洋絵画史の上で、その頂点に位置する画家だと思う。
 なお、ゴヤについては、その力量は抜きんでていると思うがここでは置いておくことにしたい。
 フェルメール(1632~1675)とレンブラント(1606~1669)の生きた時代は17世紀半ば頃で、これは宗達そして古九谷の時代と大体重なっている。(後略)
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硲伊之助美術館友の会では、本エッセイの続きや、昨年10月に開催された宇宙飛行士でありジャーナリストであった秋山豊寛さんの講演会のエッセイを掲載した会報を配布しております。歴史と芸術を愛好される方で当会にご興味ある方はお問い合わせよりご連絡ください。