松井秀喜さん 国民栄誉賞受賞に寄せて

 「努力できることが才能である」という言葉を心身で受け止め、その言葉を励みに野球界で生きてきたという松井秀喜さん。テレビに映った松井さんの態度や言葉には、いささかのおごり慢心の影さえなく、周りへのさり気ない気づかいを示しながら、自分にやれることだけを精いっぱいやってきただけ。これからもと心はすでに新たな歩みへか。発つ鳥跡をにごさずニューヨークへ飛び去った様子。

 上記冒頭の言葉は1981年、NHKテレビ訪問インタビューで、硲伊之助を師とし、九谷吸坂窯を継いだ海部公子によって紹介されたものです。そのテレビ番組を見た松井秀喜さんのお父さんが、その言葉を書き止め、息子に与えたのだと思います。
 ひたすら素振りなど、練習に打ち込んだ松井選手を支える言葉になったようです。