
九谷吸坂窯は、硲伊之助が古九谷継承を目指し、独自に築いた窯です。
1962年(昭和37年)、山中温泉上流の古九谷窯跡に近い旧我谷村から約350年前の茅葺き民家を移築し、工房兼住居としました。
その志は、長年にわたり海部公子・硲紘一によって受け継がれてきました。現在は、硲紘一がその意志を継ぎ、制作活動を続けています。
九谷吸坂窯の作品は、硲伊之助美術館、定期開催される「九谷吸坂窯展」のほか、不定期に開催される展示会やギャラリーで鑑賞・購入することができます。
海部 公子(あまべ きみこ)
1955年 | 硲伊之助に師事 |
1962年 | 師と共に石川県加賀市に九谷吸坂窯を築く |
1964~1965年 | 欧州各国を美術研修の旅。帰国後アルバニア展(油絵) |
1968年 | 一水会陶芸部公募展に出品。一水会賞受賞 |
1974年 | 一水会陶芸部運営委員 |
1980年 | 渋谷西武百貨店で個展。秋青山グリーンギャラリー個展、以後、東京(赤坂・銀座)などで個展数十回 |
1994~97年 | 色絵磁器陶板画で、「小説新潮」表紙担当 |
1995年~ | 「婦民新聞」に随筆「加賀のアトリエから」を連載 |
2022年 | 永眠 |

九谷色絵大皿「菜の花」
寸法:41.1x6.8cm 制作年:2015年
青灰色に打ち沈む北陸の寒空の下でのうれしい出会いの一つ。それが菜の花だ。その新鮮な色が私を惹きつけ、描かずにはいられぬ衝動を誘う。菜の花と葉と茎の色に対して、引き合う赤を見出し、ふちを埋めたその赤は組み合わせた直線模様のリズムや余白に生かされて全体に落着きのある色彩調和が生れた。

九谷色絵大皿「いちはつ」
寸法:41.0x7.6cm 制作年:2015年
まっ白で大きないつはつの花の清冽さは梅雨どきのうっとうしさを吹き飛ばしてくれる。畑友だちの一人が一株くれたので自分の畑に迎え入れてから、家族の一員になったようにいとおしい。
色として扱った白い花。緑の中でこそ生命力を発散できることを示した大皿である。
硲 紘一(はざま こういち)
1945年 | 福岡県八幡市に生まれる |
1971年 | 九谷吸坂窯に入門 |
1978年 | 一水会陶芸部公募展に出品 |
1980年 | 名鉄百貨店にて個展 |
1986年 | 赤坂グリーン・ギャラリーにて個展 |
1989年 | 欧州美術研修旅行 |
1992年 | 小倉玉屋百貨店にて個展 |
1993年 | 一水会陶芸部委員 |
1994年 | 硲伊之助美術館開館 |

九谷色絵大皿「大聖寺川沿いにて」
径:40.7cm 制作年:2014年
加賀市大聖寺川沿いの散歩道。道の黄色が効果的。
ふちは複雑な色合いだが見込みの色と調和している。そのふちの表現はその後さまざまな模様絵皿の原型となっている。

九谷色絵陶板画「富士写ケ岳遠望の桜」
寸法:27.3x30.2cm 制作年:2015年
遠くに加賀市を代表する富士写ケ岳(942m)。
旧大聖寺川と新川は合流する橋の上からの眺め。
桜の季節は特に美しい。桜の色合いによって奥行が出ており桜の表現もおもしろい。