戦前の日本社会の空気をも感じさせられる。
どこか暗くて、静かな感じは、渡欧中に描かれたものと全く異なり、帰国後に描かれた作品「荒川上流」や「鵠沼の想い出」とも全く異なる。おそらく渡欧以前の作品であろう。渡欧後の作品と比較するとその違いが興味深い。
この作品を展示会場全体の中で見ると、不思議な存在感がある。対象を見て、感じる。そこから離れないで、無心に取り組んだ、ある種の生真面目さ、誠実さが伝わってくる。
この作品は現在、当美術館にて展示中です。ぜひ足をお運びいただき、本作を間近でご鑑賞ください。
作品名 | 工事中の崖 |
材質 | 油彩 |
制作年 | 不明 |
寸法 | 47.0x64.0cm |